<洗濯日和・1>
「おっちゃま!」
「キクチヨ様」
「な、何だぁ二人して?」
「
脱いで下さい」
「
はあ!?」
「おっちゃまの着物洗うです!」
「今日はいい天気ですから」
「あ、ああ、そう言う事か。わかったよ」
「おっちゃま、下も脱ぐです」
「
袴もかよ! 俺様他に着物持ってねぇんだけど……」
「あ、そうですね……他の方々なら替えが利くのですが」
「おっちゃまにピッタリ合う着物はないですねぇ」
「まあいいだろ、別に羽織だけでも」
「ダメです、折角だから全部洗うです!」
「では、申し訳ありませんがこちらの布を羽織っていて下さい」
「……ま、いいか。どうせこの体じゃ風邪なんか引かねぇし……」
「やったです!」
「ふふ、コマチったら。キクチヨ様のお召し物を洗うのだと張り切っているんですよ」
「そいつはありがてぇんだが……あのよ、
取り敢えず出てってくんねぇかな……」
男の子扱いされてないキクたん(笑)。
見られちゃマズいものは付いてませんけどね!(爆)
<洗濯日和・2>
「さってと……仕方ねぇや、今日はここにいるかな。どうせ誰も来ねぇだろうし」
ガラッ
「
って早速かよ!!」
「……キクチヨ」
「キュウタロー……オメェか」
「……その、格好は……」
「ああ、コマチ坊と姉ちゃんが着物を洗濯するって言ってな」
「…………」
「キュウタロー?」
「……誘っているのか」
「へ? 何が……ってうわ!?」
どさっ。
「随分と……そそられる格好だ」
「な……っに、すん……!!」
ちう。
「――――ッ!?」
「どうした」
「どっ……どーしたじゃっ……! へ、変な事するんじゃねぇよ!!」
「何故だ」
「何故って……お、おかしいだろが! 俺は機械だぞっ」
「……構わぬ」
「ッ!! ひ、やめっ、ど、どこ触って……!」
「……感度はいいようだな」
「畜生、は、放せッ!!」
「断る」
「あっ、やめ、い、
嫌だあああああッ!!!」
ロボとは言え裸に薄布一枚では正に「猫にマタタビ」、据え膳食わねば何とやら(笑)。
キュウゾウの魔の手(笑)から果たしてキクたんは逃げられるのか!?
<洗濯日和・3>
ガラッ!
「キクチヨ、どうした!!」
「今悲鳴が……」
「か、カンベエ!! モモタロー!!」
「ちっ……」
「な――――!?」
「きゅ、キュウゾウ殿ッ!! 何て事を……」
ばたっ。
「
ぎゃ――――――――――――――――――――――――――!!!
カンベエ様が
顔中の穴という穴から血を流して倒れた――――――――――!!」
「お、おい大丈夫か!?」
「ふっ……(むくり)この程度で倒れるわしではない……!!」
「
いや怖い怖い怖い!!! 顔中
俺より真っ赤じゃねぇか!!」
「キュウゾウ……キクチヨには手を出すなとあれ程言った筈だが……?」
「お主に指図される謂れは無い」
「
問答無用!!! 表へ出て貰おうか!!」
「望む所……!! 俺が勝てばキクチヨを貰い受けるぞ!!」
ガラッ、バンッ!!
「キクチヨ!!」
「……モ、モモタロ――ッ!!!」
「ああよしよし、怖かったですね。もう大丈夫ですよ」
「うっうっ……でも、もしカンベエが負けたら
俺あいつに貰われちまう……!!」
「心配要りません、キクチヨの為ならカンベエ様は勝ちます。それにもし負けても……
あたしがキクチヨを守りますよ」
「モモタロー……!!」
「シチロージ殿、表に
真っ赤な何かが二つ程転がっているのですが……?」
「ああ、放っといて結構ですよ。
明日になったら多分消えてますから」
「モモタロー……(ぎゅ)」
「大丈夫。今夜はずっと一緒にいてあげますから」
「お……おう!」
「……? 随分仲が宜しいのですね?」
今回の勝者=おかん(シチロージ)
キクたんのキュウゾウに対する恐怖絶頂期のお話でありましたとさ(笑)。